2010.08.24

ラストフライト前編

CAがその職を辞す最後の乗務を、文字通りラストフライトと呼びます。

その日が来たとしても主役は今日もお客様。
いつも通り慌ただしく事は進みます。

何度も同僚のラストフライトに遭遇して来た私。
ラストフライトを迎えてしまった彼女の為に何か出来ないか?
何も特別な事はせずにいつも通りでいる方が良いのか?
結局、乗務中は彼女が気になって仕方が有りませんでした。

ややこしいお客様の対応を強いられてはいないか?
ちゃんとご飯食べたか?
フライト後の記念撮影は何処で撮ろうか?
彼女よりソワソワしていたものです。
ふとした瞬間に彼女が気になり姿を見付けてはにんまりする。
そんな光景が、たとえ飛行時間が短くてもゆっくりスローモーションで流れてゆきます。

飛行機がとうとう着陸してしまったその瞬間、彼女の出番です。
「皆様、この飛行機は 成田国際空港に 着陸致しました。」ステキ☆
このフレーズを聞いただけなのに、じ~んと来て必死に何かをこらえて外を見るふり。
アナウンスをする彼女は至って冷静で、かつ、どこかにこやかな声。
これが涙もろい私の心を揺さぶります。

ラストフライトのクライマックスはここから。
到着ロビーでは、彼女を待ち構えている人たちがいます。
同期や家族、友人達が「お疲れ様」の一言に花束を添えてお出迎え。
やっとそこで彼女の涙がポロリ。私は、お決まりのもらい泣き。

私は、絶対ラストフライトは御免こうむりたいと思ってきました。
何故って、涙もろくて仕事にならないのが落ちでしょう。


つづく

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